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第4回職業がんをなくそう集会

第4回職業がんをなくそう集会が開催されました
25団体 40名の参加がありました(研究者2名 弁護士2名含む)
記念講演は、鰐渕英機教授(大阪市立大学大学院医学研究科都市医学講座分子病理学)が化学物質の職業ばく露による環境発がんを講義されました。
 はじめに、化学物質のヒトでの発がん性予測はヒト集団における疫学的調査と動物を用いた発がん性試験に基づくこと、国際がん研究機構(IARC)がアスベスト、ヒ素やオルトトルイジンなど32物質を職業上の発がん性物質に指定していると述べられました。
 次に1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタンによる胆管がんやオルトトルイジンによる膀胱がん、粉じん等によるじん肺や石綿肺、中皮腫等職業がん・職業病を作業現場や細胞や臓器の画像で解説され、職場での化学発がん物質ばく露による発がん(IARC,2014)の表を紹介されました。また日本では死因別死亡数の割合でがん死亡が29%を占め(心疾患15%)その割合は年々増加し年間がん死亡数は37万人にのぼる(H27年人口動態統計より)と指摘されました。
 腫瘍に関する基礎知識としてその定義や悪性腫瘍の特徴、リンパ行性・血行性・幡種性転移および早期発見の重要性等について図解で説明され、がんに関連する遺伝子(がん遺伝子・がん抑制遺伝子・アポトーシス遺伝子・テロメラーゼ遺伝子)とそれらの異常によるがんの原因として外因(化学的・物理的・生物的がん因子)と内因(年齢・性・人種・家系)があることを示されました。化学物質が引き起こすがんについて、イギリスのPott外科医が1775年煙突掃除夫に陰嚢がんが多くその原因は煤であろうと推測し、ドイツのRehnが合成染料フクシンの製造作業員に膀胱がんが多く原因はアニリンであろうと考えたことを紹介され、化学物質の発がん性は特定の物質に高濃度・高頻度でばく露される労働者を観察することで発見されてきたこと(疫学研究による発見)、1918年山極勝三郎がウサギの耳にコールタールを反復塗布することで発がん性を証明したことを示されました。実験動物を用いた発がん性試験の解説では、長期(2年)試験は信頼度が高いが期間と費用がかかるため、中期試験では発がんを誘発した後に化学物質を投与するなどで40週以内に情報を得られることを紹介されました。
 最後に職業がんの早期発見のための特殊健康診断と膀胱がんの検査と治療の解説をされました。

熱心に報告を聞く参加者
基調報告は、田中康博さん(化学一般関西地本三星化学工業支部書記長)と川上健司さん(職業がんと闘うオルト-トルイジンの会代表)が職場報告等をされました。
徳島から報告する川上さん
総会では、総括&決算報告を堀谷事務局長と石橋副代表、宮崎会計監査がおこないました。方針案と予算、次期役員体制の提案を堀谷よりしました。参加者の拍手で確認されました。福井県の藤原貴文さんが新役員に加わります。
会場発言は、化学一般労連、関西地方本部、ダイトーケミックス支部、OB会、京都在住の会員さん、大阪アスベスト対策センター、弁護士、韓国非正規労働研究センターなど多くの団体や職場から発言がありました。
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2017年07月12日

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